家族の一体感を実現する間取りの作り方
2021年12月30日
「伴天風水」創設者の山根維随です。
私は常々、「家は家族が一体になれる場所」という認識を持とうと提唱しています。
「機能やデザイン」を追い求めていたのでは理想の家は手に入らない、と思います。
では、夫婦が元気で長生きできる家、とはどんな家なのでしょうか。
私が思うのは家族がどう過ごすか、どうすれば幸せになれるか、これがとても重要であり、家づくりのカギを握っているということです。
こんなことを考えるのも、現代は家の中でも家族がバラバラで、家庭生活の基本ともいえる食事すら一緒に食べていないという家庭が多くなっているからです。
たとえ一緒に食べたとしても、すぐにそれぞれが個室にこもって自分の好きなことをしている。
そんな状況が私には正常だとは思えないのです。
とても幸せな姿には見えません。
日曜日はなるべく家族と一緒に過ごしているよ
と仰る方もいるでしょう。
でも本当に心を通い合わせて過ごしていますか？
ただ家族全員が長い時間、同じ家の中にいれば幸せになれるというわけではありません。
せっかくの休みの日なのに、お父さんはソファに座ってずっとテレビを見ている。
お母さんはただ黙々と料理を作っている。
子供達は2階でテレビゲームに夢中になっている。
これではたとえ同じ家の中にいたとしても、心はバラバラです。
そうではなく、家族それぞれが家族のために存在するのだということを思い、お互い頻繁にコミュニケーションを取って過ごすことで、家族の心が通じていきます。
若い頃、「お金がないから子供を怒ってしまうのではないか」と思っていたことがありました。
あれもしたい、これもしたいし、してあげたい。
でもお金が無い。
子供はそんな親の苦労も知らないで・・・
ついつい顔を見るために「勉強しろ」とか「何やってんだお前は」と怒ってしまう。
ところが、経済的に余裕が出てくると、家族各々が自分のお金で外食し、遊び歩き、家族と共に過ごさなくなりました。
コミュニケーションを取ろうにも、子供が家にいません・・・
家は家族が一体になれる場所。
そういう認識を持ちたいものです。
そこにいれば自然と共有感が生まれる。
それを持つことが家族の絆を強くし、やがてそれが幸せの基礎となります。
それを可能にするためには家の建て方に工夫が必要です。
この記事の執筆者
もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長
山根 一純やまね いずみ
昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。
元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。
新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。
私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。
ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。
風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。
さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。
このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。
「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。