山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

地震に強い家づくりの知恵【直下型地震に対応できる家】

2022年05月06日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、家の木材選び【無垢材の3つのメリットとは】という記事を書きました。
今回は、地震に強い家づくりについて書きます。

長期優良住宅は地震に弱い?

勉強音試行錯誤を続けることで、私は無添加住宅にたどり着きました。
しかし、それだけでは本当に安心できる家とは言えません。

何が欠けているのかといえば、それは地震と火事に対する対策です。

今まで作られてきた家は、そして現在作られている家は本当に安全と言えるのか?
そこに私はずっと心の引っかかりを持っていました。

我々は阪神・淡路、新潟中越、そして東日本大震災とこれまでにないような大きな地震を体験して、多くのことを学んできましたが、本当にそれらが活かされているのか、疑念を抱いていたのです。

例えば、現在の免震設計というのは、単純な横揺れに対してはある程度効果があるかもしれませんが、直下型でやってくる縦揺れに関してはほとんど考慮されていません。
つまり、「家が建てる家は地震に強いですよ」と声高に宣伝して売っている住宅メーカーがあったとしても、本当に地震が来た時に大丈夫かどうかは分からないのです。

考えてもみてください。
阪神・淡路大震災の時には、 50トンのタンクが150メートルも飛んでいったという事例がありました。あれは動いたのではなく、 飛んだのです。

怖いのは直下型の衝撃波です。
50トンのタンクを飛ばすほどのパワーとはどれほどのものか?
その衝撃波は家を一瞬でバーンと持ち上げるぐらいの力を持っているのです。

ちなみに、 そんなパワーを持っていない横揺れのゆるい地震であれば、家もビルも壊れません。
現在の日本の建築技術ならば、耐震設計で十分に持ちこたえます。

IMG_7807-2.jpg
直下型地震に対応できる家づくり

大切なのは直下型の突き上げるような揺れに立っていられるかどうかということです。
だから直下型に対してどう対応するかを考えなければいけないのです。

直下型に対応できる家づくりをしていかないと本当の安心は得られません。
では、どういう家なら安心できるでしょうか。

それは筋交い(柱と柱の間に斜めに入れて建築物の構造を補強する部材)をしっかりと施工してある家です。

IMG_7113-1.jpg

合板を使って組み合わせただけの家は弱いです。
驚いたことに長期優良住宅でも、その合板を使っています。
それで本当に長期にわたって安心して暮らすことができるのでしょうか。

2009年に独立行政法人防災科学研究所が行った耐震実験があります。
2棟の木造3階建て住宅を同時に震度6強相当の強さ(耐震基準の1.8倍)で20秒間揺らしたものです。
一棟は耐震等級2の「長期優良住宅」もう一棟は通常の木造軸組の家(耐震等級1)です。

実験の結果は、まさに想定外でした。
長期優良住宅が実験の終盤で一階部分がつぶれて崩れ、横転するように倒れ、通常工法の家は、10秒ほどで柱の接合部分は壊れたものの、最後まで倒壊しなかったのです。

実験担当者である建築研究所の上席研究員は「倒壊する・しないの結果だけ見ると、予想と違ったことは確かだが、両方の試験体ともに倒壊に近い状態になったといえる」と説明しょいていますが、何か変だと思いませんか?

この地震実験の模様はYouTubeで掲載されています。
興味がある方は検索してみてください。

妙な話ですが、長期優良住宅よりも普通のいえの方が安く建てられます。
わざわざ長期優良住宅にする為にお金をかけているし、強度も考えてつくっているはずなのに、壊れてしまうのでは困りますよね。

今、長期優良住宅よりも普通の家のほうが安くて建てられます。
わざわざ長期優良住宅にするためにお金もかけているし、強度も考えてつくっているはずなのに、壊れてしまうのでは、困りますよね。

今、長期優良住宅を融資の対象とする最長50年のローンであるフラット50をつくろうとしていますが、とんでもない事です。
30年でも危ういのに、家がそこまでもつのでしょうか。
フラット50というシステムがあれば、誰もそこまで家がもたないとは思いませんよね。

もし家がもたなかった場合、最終的に誰が責任を取るのでしょうか。疑問だらけです。

>>地震に強い家の施工事例を見る


>>風水設計の家について詳しく知る

この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。