山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

地震に強い家、ログハウスの実証例について

2022年05月09日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、家地震に強い家づくりの知恵【直下型地震に対応できる家】という記事を書きました。

今回は「地震に強い家=ログハウス」について書きます。

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本当に地震に耐える家とはどんな家なのか?

その疑問に答える興味深い実験が以前、ログハウス協会によってつくばの研究所で行われました。

その実験は、阪神・淡路大震災と同じ818ガルの加速度で家を揺らすというものです。

一般工法の住宅を全部で15棟、順に揺らしてみたのですが、そのはじめの3棟は全壊してしまいました。

壁実験(各工法の壁に横荷重をかけて耐力を測る実験)で桁違いの強さを見せたのがログハウスです。(福島県林業試験センターでの実験)

筋交いをした一般住宅の壁が大体300キロぐらいの横荷重がかかると壊れるのですが、ログだと1トンにも耐えます。

一般住宅が壊れた818ガルの強さでログハウスを揺らしてみたところ、何の変化もありませんでした。

そこで、次にどこまで耐えられるか試すために818ガルのほぼ倍の1500ガルでログハウスを揺らしてみましたが、やはり壊れませんでした。阪神・淡路大震災で起こったパワーの倍でも壊れないというのは驚異的です。

これらのことからもわかるように地震に本当に強い家を求めるのなら、まず第一に筋交いの家、そして更なる安心がほしい場合はログハウスにするのが私のおすすめです。

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現実の地震でもログハウスは強かったことが証明されています。

1997年12月2北海道奥尻島沖で起きた北海道南西沖地震では、甚大な被害を被った奥尻島に置いて、ログハウスに関してはほとんど被害が及んでいないことが分かっています。
この時は津波も発生していますが、津波により多くの家が波にさらわれても、ログハウスだけは流されず、ポツンと残っていました。

平然と、 ログハウスだけが残されているのに驚きました。
テレビの取材ヘリコプターが飛んで、「何もありません、いや、一棟だけ残っています、ログハウスが・・・」と言っていたのが印象的でした。

また、2004年10月に発生した新潟県中越地震(マグニチュード6.8、震度7)では、約10万棟の住宅が一部損壊を含め被害を受けました。
しかし、地震後に調べてみると、激しい揺れを感じた地域でもログハウスの場合は構造上に損傷はなく、他の構造の建物と比べてログハウスの耐震性が優れていることが証明されたのです。

中には大きな被害を受けたログハウスもありましたが、それは構造なものではなく、何も地盤が崩壊したことにより受けた被害であり、ログハウスの構造上の欠陥ではないということも判明しました。

そして2011年の東日本大震災でも、ログハウスの強さが実証されました。
宮城県山元町の吉野邸が地震動と津波の直撃に耐えたのです。

さらに吉野さん一家はログハウス仲間の協力を得てこれをリフォーム、 見事に復活させました。

>>地震に強い家の施工事例はこちら

この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。