山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

法隆寺が証明する木の耐震性・耐久性について

2022年05月15日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、正倉院式ログに見るログハウスが地震に強い理由

について書きました。

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法隆寺が証明する木の耐震性・耐久性

木に地震に対する強さに加えて耐久性も備わっています。
それを証明してくれるのが、正倉院と並び日本を代表する建築物である法隆寺です。

法隆寺は世界最古の木造建築です。
創建から約1400年の月日が経っているのにもかかわらず、現在もかわらぬ姿を見せてくれています。

もちろん、正倉院と同じように幾多の地震に耐え、それを乗り越えてきました。
まさに悠久のときを過ごしてきた、歴史の証人です。

その強さの秘密は、柔構造と呼ばれる特殊に切り組まれた木材同士の接合によって「あそび」の部分を残した構造にあります。

現代の鉄筋コンクリートでがっちりと建てられた剛構造の建築物と異なり、柔構造で建てられた五重塔は、地震があると一瞬揺れるのですが、次の瞬間には止まります。

また、木の組み方に加えて塔の内部を貫く心柱は、地震の揺れを減らす「かんぬき」の役割を果たしており、減震性を高めています。
その効果は現在では日本のみならず世界で認められ、各地の高層建築にこの技術が取り入れられています。

ただし木と鉄ではまるっきり同じ効果を得られるわけではありません。
鉄の場合はエネルギーを逃さないため、地震が起きると高層ビルになるほど3時間も4時間も揺れているのです。

ところが五重塔では一瞬揺れて止まります。

現代に住む私たちはつい堅い鉄やコンクリートの方が丈夫なように思えてしまいますが、実はその柔らかさが私たちを守ってくれるものだったのです。
木材を使う事で耐震・耐久性ともに高められることは、すでに歴史が証明していたのですね。

なんでも新しいもののほうがいいわけではない、という好例ではないでしょうか。

>>ログの家(木と住むという選択)

この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。