山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

高気密・高断熱の家で後悔する前に・・・

2021年12月18日

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「伴天風水」創設者の山根維随です。

今回は、「機能や効率」を追い求めると怖いことになるという話をしましょう。

ある時期から、日本の家は高気密・高断熱と言うキーワードが盛んに言われるようになりました。

機密性の高い家がいいのだと宣伝されました。

これは断熱性能のためなんです。

断熱効果を高めて電気やガス、暖房代などが安くなるようにしたい。

だったら、高気密の家にしたらいいだろう、という考えでこうなったのです。

でも、本当にそこまでの高気密が必要なのでしょうか?

むしろ、私は必要ないと思っています。

例えばガス器具の不具合で近年、死亡事故が起きていますが、もし高気密の家でなかったら助かったかもしれません。

たとえ不具合などなくても、現代の締め切った部屋でストーブを焚いて寝たら、危険はかなり高くなると言えるでしょう。

昔は練炭なども使いましたから、一定時間で空気の入れ替えをするのが普通でした。

しかし、最近はエアコンを使い、一酸化炭素中毒の危険などもないためか、空気を入れ替えるという習慣さえ、日常的ではなくなってしまいました。

よく考えてください。

高気密の家に暮らしていて、空気の入れ替えをしないというのは、果たして体にとって良い状態なのでしょうか。

そこには淀んだ空気が溜まっている、実に不健康な家があるだけです。

そういう家に住んでいたら、健康なものも健康でなくなってしまいます。

体の弱い子供や年寄りならなおさらです。

なんだか今日は頭が重いなあ。

なんて感じることはありませんか。

そんな時は窓を開け放して空気の入れ替えをしてみてください。

きっとスッキリするはずです。

それほど、淀んだ空気というのは体に良くありません

それなのに空気の汚れはなかなか目には見えないものですから、皆さんあまり気にしません。

それよりも光熱費などの経済性を優先してしまうのです。

したがって、高気密の家の方がいいだろうと選んでしまうのです。

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昔ながらの木の家であれば

これが昔ながらの木の家(無垢の家)であれば、家というものが自然の力を利用するように作られていたために、風の通り道についてもしっかりと考えられていました。

ところが私たちは長い間の「高気密至上主義」の魔法に踊らされ、すっかり「高気密=いい家」だと思い込んでしまいました。

今こそ、私たちの心の窓も開け放し空気を入れ換え、さっぱりとした気持ちになって、考え直す時期にきているのではないでしょうか。

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高気密といえば、空気の流れを止め、密閉した空間をつくるということだけではありません。

高気密の家を作るためにはビニールシートを全体に貼ります。

防湿・防水シートと言うのですが、それに加えて部屋の中にはビニールクロスを貼ります。

こうすると、風は通らなくなります。

確かに防熱効果はあるかもしれませんが、実はこのビニールクロスは曲者です。

高気密と言っても空気は微量に入ってきます。

100%通らないわけではありません。

その時、室内の暖かさと寒い外気温との温度差で結露が生じます。

つまり、空気中の水分が水になるわけです。

この水は特にいくわけでもなく、壁の中に水として残ります。

どんなに高気密にしたってそれは防ぐことができません。

入ってきた微妙な空気から水ができ、それが積み重なると、どんどん水の量が増えます。

結露といってもその量は馬鹿にできません。

以前、頼んだ大工が大失敗したことがありました。

その時には図面通りに作らなかったため屋根裏に結露していました。

棟換気口で空気を抜くようになっていたところを閉じてしまったのが原因です。

色々応急処置はしたものの、半年経っても水漏れが治らないため開けてみることにしました。

すると大げさな話ではなく、まるで漫画のようにザバっと水が落ちてきたのです。

この例は非常に極端かもしれません。

でも十分な換気が行われていないとこういうことにもなるのです。

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結露の被害で本当に怖いのは?

実は結露の被害で本当に怖いのは、直接的な水によるものではありません。

結露が怖いのは、それが原因でカビが生えることです。

しかも黒カビが生えます。

黒カビというのは発ガン性が一番強いと言われている危険なカビです。

高気密という言葉に踊らされ、安心しきっているとそんなものが生えてしまうんです。

だから断熱のために密閉したらいいという考え方は間違っているのです。

木の家であれば調湿性もあるため、空気中の水分を吸ったりはきだしたりしてくれます。

それがあなたの命を守ってくれるのです。

高気密・高断熱という言葉に踊らされ、わざわざ高いお金をかけて家を作って死んでしまったら、何にもなりません。

あなたは家を建ててガンになりたいですか。

そうじゃないですよね。

家を建て、家族と楽しく暮らして幸せになりたいんですよね。

だったら、よく考えてみてください。

どれが幸せになれる家なのかを。

高気密・高断熱の家選んで後悔する前に...。

「風水設計デザインの家」を建てるなら「もくもく村」へご相談ください。

「風水がいい家」はこちら>

この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。