山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

【良い土地の条件とは】沼地には家を建ててはいけない

2022年06月26日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、「【良い土地の条件とは】埋立地で怖いのは液状化現象」について書きました。

今回は「沼地には家を建ててはいけない」ということを書きます。

実は埋立地と安全について私も多少侮っていました。
大きな地震が起きれば被害があることは分かっていましたが、それほど大したことはないだろうと思っていたのです。

ところが、2011年2月のニュージーランドでの地震で倒壊したビルを見て、これは強いぞと再認識したのです。
あのビルの倒壊をあなたは不思議に思いませんでしたか?

他のビルは何ともありませんでした。倒壊したのは一棟だけです。
しかも古いビルではありません。地元テレビ局カンタベリー・テレビの入ったビルが倒壊したのです。

王立委員会の調査報告ではビルそのものに構造的欠陥があったことが公表されましたが、それだけではなく、そのビルが建っていた場所がかつて沼だったということが分かったのです。

要するに沼地に建てたビルだったということです。
これらのことからも沼地には家を建ててはいけないということがわかります。

三角州など、洲というのもいけません。中洲などもそうですね。

風水の世界では昔からの沼地や三角州などはよくない土地だと伝えてきましたが、昔の人は風水や教訓という形で人が住んではいけない土地というのを残してきたのだと、改めて思います。

液状化の話に戻りますが、液状化が強いのはこれが一時の災害だけでは終わらないということです。
一度液状化した地盤は、次に大きな地震が起きた時にも再び液状化する場合が多いのです。

また液状化による地盤沈下は地震の発生時だけではなく、地震後も何年かかけて少しずつ進んでいきます。
従って、地盤の改良工事など対策を取らない限り、ずっと建物の補修をしなければなくなる可能性があります。

また家だけでなく、電気やガス、水道などのライフラインも被害を受けてしまうでしょう。
昔なら避けるべき土地に家を建ててしまったばかりに、多くの費用がかかってしまうことになるのです。
このようなことにならないためにも土地選びは慎重に行う必要があるのです。

もちろん、液状化への対策方法もあります。

例えば地層を締め固めたり、土地の表層に加重したり、排水を良くするといったことです。
しかし、これら改良工事には多額の費用がかかりますので、できることならば最初からこのような土地の購入は避けた方が無難と言えるでしょう。

地盤の液状化とまではいかなくても、最近はゲリラ豪雨などで生活道路が水浸しになったり、 以前では考えられないような災害が起こっています。
2011年に話題になったタイの洪水被害も、実は池が関係しています。
タイは池を埋め立てて工業団地を作ったのです。

日本のメーカーも数多くそこに入りました。自然のままに住んでいれば、あんな風にはならなかったはずです。
しかし、利便性、 利益確保、それらのために無理なことをしてしまいました。

そのしっぺ返しがあの惨状です。現代人は、先人たちの教えをもう一度読み解かなければならない時期に来ているのではないでしょうか。

その土地に住むには理由があったんだということを再確認しましょう。
人が住まなかった土地にも、やはり理由があったはずです。

それをもう一度知るべきなのです。
気をつけなければならないのは銀座の例でもお分かりのように、調べないと昔の土地の状態がわからないケースです。

例えば大規模分譲地には危険な土地が多いのですが、綺麗に整地されてしまっているため、以前そこがどのような土地だったのかということは、現状からは全く判断がつきません。

見た目だけで判断して家を建ててしまい、「しまった、買わなければよかった」と後悔をしないように、土地の購入には十分な注意が必要です。

最低でも不動産屋に確認するか古い地図を取り寄せて調べてみることをお勧めします。

>>風水の間取りで「家の運気を上げる」10の方法

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この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。