山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

火災による死亡者の真実【後編】

2022年06月15日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、火災による死亡者の真実【前編】について書きました。

今回は、その後編です。

昭和40年代に日本の住宅事情は大きく変わりました。
住宅のプレハブ化が一気に進んだのです。

家づくりにプラスチック(接着剤=化学製品)が大量に使われるようになった。
その結果、火災での犠牲者も増えた・・・?

昔ながらの木造建築でも不完全燃焼の際には一酸化炭素は出ます。
でも、有毒ガスは出ない。つまり火から逃げることはできていたのです。

ところが、有毒ガス、とくに青酸ガスが発生したら、それこそ「三呼吸でパタリ」ですから、とても逃げることはできません。
それでも「有毒ガス」という死因項目はないのです。

消防庁内でも問題提起されているにもかかわわず、意図的に「有毒ガス」という言葉を隠しているとしか思えません。

更に恐ろしい事があります。

1970年以降、肺ガンで亡くなる方が急増しているのです。

・住宅のプレハブ化が進む

・火災による犠牲者が増えた

・焼死よりも煙にまかれた巻かれた犠牲者が増えた

・肺ガンで死亡する人が急増した

こうした事が同時に起きていたのです。

ビニールクロスの増加率と肺ガンによる死者の増加比率がほぼ同じであるということは、つまり、両者には相関関係があると考えることができます。

さらに合板の需要量の増加が2.25倍に対して火災による死者の増加が1.89倍とやや相関関係があるように推測されます。

データを素直に付き合わせれば、プラスチックを大量に使った住宅がいかに危険なのかということが、一目瞭然ではありませんか!


この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。