山根一純の「伴天風水」デザインで
たてる住宅

土台と梁と柱に無垢材を使うと良い理由とは【シロアリの怖さ体験談】

2022年04月30日

「伴天風水」創設者の山根維随です。

前回は、シロアリ退治に有効とされる注入土台は安心で安全なのか?

という記事を書きました。
今回は、自分自身の体験談も併せて、シロアリの怖さについて書いてみます。

実はシロアリの怖さを私は自分の家で実際に体験しています。

私の家は建てて3年にシロアリに食べられました。
やられたのは合板です。
それは大変な威力で、家の色々な所のベニヤがボロボロになってしまったのです(この5番はパインの貼り合わせです)

ただし、柱だけは無事でした。
なぜなら当時から柱に関しては無垢材にこだわっており、すべて杉の無垢材を使っていたからです。
柱だけではなく、合板にもこだわっていればボロボロにされることもなかったのですが、時すでに遅しでした。

それから更に時を経て、8年ほど前のことです。
玄関を少し前に出す工事をしました。

恥ずかしながら、医者の不養生ではありませんが、なかなか自分の家に関しては手をつけることができず、妻が自分で大工を探してきて頼んだものです。
するとコーチから7年ほど経ってから妻が慌てて、

「大変、大変。玄関の壁が落ちちゃったの!」
と騒いで言うではありませんか。

7年と言ったって、感覚としては作ったばかりです。なぜ?という思いが頭を巡ります。

そこで調べてみたところ、なぜか壁を支える木がありません。
シロアリに食べられたか、あるいは真っ黒になっていたので腐敗菌にやられたのかもしれません。

いずれにしてもコンクリートだけで壁を支えていたようなのです。
そのダメになった木はパインでした。
私なら杉や檜にこだわっているのでパインは使いませんが、その大工は使ったのですね。

それで壁が落ちてしまいました。

私の家は玄関だけだからよかったですが、もし家の土台や柱で起きたとしたら、相当危険です。
35年どころではなく、たった7年でこうなってはたまりません。
でも私の家だけではなく、実際にあちこちでこういうことが起きていると耳にします。
家の寿命がローンよりも短いなんて誰も思っていないところに現代の悲劇があります。

昔の家が長い時間建っていられるのは、それなりの材料を使っているからです。
簡単に言えば無垢材を使っているからであり、今でも無垢材で作ればいいだけの話です。

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しかも、適材適所、 土台にはヒノキやヒバ、柱にはスギかヒノキを使いましょう。

どうしても難しい場合には、少なくとも土台と梁と柱だけは無垢材を使いましょう。

それでも集成材を使うよりは、ずっと強い家になってくれます。

この記事の執筆者

山根 一純

もくもく村創始者
NPO法人 幸せな家づくり
研究会理事長

山根 一純やまね いずみ

昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。

元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。

新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。

私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。

ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。

風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。

さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。

このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。

「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。