火災に強い家づくりとは【有毒ガスは恐ろしい・たった2分が生死が分かれる】
2022年05月21日
「伴天風水」創設者の山根維随です。
前回は、火災に強い家づくりとは【ログハウスに使う丸太はとても火に強い】
について記事にしました。
今回も「火災に強い家づくり」の続編として有毒ガスの怖さについて書きます。
地震に強い家というのは、以前からどなたも気にされていることです。
特に阪神・淡路大震災以降、新潟県中越地震以降、そして2011年の東日本大震災以降、「とにかく地震に強い家にしたいんです」とおっしゃる方が急増しています。
もちろん地震対策は大事なのですが、でも不思議なことに火災を気にする方はとても少ないのが現状です。
「火事に強いのはどういう家ですか?」という質問をされる方はまずいません。
それだけ家づくりにおいて火災対策は軽視されているという証拠でしょう。
でも、本当に怖いのは火災です。
東日本大震災でもたくさんの方が亡くなりましたが、火災で亡くなる方は毎年2000人程度にものぼります。
大地震は毎年起こるとは限りませんが、火災は悲しいことにコンスタントにこれだけの犠牲者を出しています。
なのに、どなたも火事に強い家が欲しいとは言いません。
それはどこかに地震と違って、火事は自分が気をつければおこらないだろう、という根拠のない安心感を持っているからではないでしょうか。
しかし、もらい火だってあります。
そして不注意というのは誰にでも起こります。
「絶対」はないのです。
ですから、これから家を建てようとしているあなたには、是非とも火事に強い家について考えてもらいたいのです。
有毒ガスは恐ろしい。たった2分が生死の分かれ目になる?
ところで火事と言うと死亡原因のトップは焼死だと思われがちですが、実は有毒ガスによる中毒死が多いのです。
そして建物の構造別に見ていくと、木造よりも耐火造の方が有毒ガスによる中毒死が多いという事実があります。
木造は有毒ガスを出さないと書きましたが、「じゃあ他の建材は有毒ガスを出すの?」と疑問が湧きますよね。
実は現在使われている建材の多くから、葛西になると有毒ガスが発生することが分かっています。
ある意味、有毒ガスを発生する建材に囲まれて生活しているようなものです。
以前「高気密は怖い」と書きましたが、有毒ガスによる中毒死では密閉度合いがとても影響します。
実は火を消そうとして消火器などを使っているうちに、部屋に充満した有毒ガスを吸い込んで意識がなくなり、そのままの姿で倒れて発見されるというケースが非常に多いのだそうです。
有毒ガスは気密性が高ければ高いほど充満しやすいですから、まだ大丈夫と思って消化活動をしていたら、気づかないうちにガスを吸ってしまったということなのでしょう。
また逃げ遅れというのも多いです。
犠牲者の55.4%を占めています(平成23年「消防白書」)
皆さんは「火事になっても気づいたら逃げられるんじゃないかな」と漠然と考えたことはありませんか。
昔の家はそうでした。でも、今の家で有毒ガスが出たらそんなに甘いものではないのです。
逃げ遅れて死亡したケースを調べてみると、単純に火災に気づくのが遅かった場合もありますが、就寝中に有毒ガスを吸って、火災に気づかないまま亡くなる場合もあるのです。
有毒ガスというのは本当に恐ろしいですね。
しかし、気づいていても、一旦有毒ガスが発生してしまうとなかなか逃げられるものではありません。
健康に自信があり、自分は逃げられると思っている人でも、難しいのです。
あなたは火災が発生してから安全に逃げられる時間を知っていますか?
たった2分です。それだけしかありません。
火災が発生して3分から10分も経過すると燃焼物から発生する可能性ガスが溜まり、それが一気に引火して爆発のように家全体に炎が回るフラッシュ・オーバー現象が起こります。
有毒ガスはその前後から多量に発生するといわれています。
安全に逃げられる余裕はたった2分しかないのです。
あなたはそれでも逃げ切れると言えますか?
昭和60年4月、環境保全業を立ち上げると、日本でも住環境が注目されるようになり、私は意を決して「もくもく村」を創設しました。健康な生活は住まいからという信念で、当時問題となっていた「シックハウス症候群」を一切排除しようと立ち上がったのです。
元来、日本には春、夏、秋、冬という季節に合わせた先人たちの住まいの工夫がありました。今では生活が便利さを追求するあまり、私たちの身の回りには化学物質があふれ、かつてはなかったような病気に悩まされています。それは私たちの生活の基盤である「住まい」にまで及んでいます。
新築、リフォーム、転居などで、住宅に使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって引き起こされるアレルギー症状が、今でも私たち、子どもたちを脅かしています。安価で便利な化学物質を使用した工業製品による健康被害をどう解決していくべきかという問題は深刻なのです。
私は、日本の四季に合った、住まう地域に合わせた先人たちの住まいの知恵を取り入れた家づくりに注目しました。森に囲まれた自然環境と暮らしの展示場「もくもく村」を開設したのは、私のそんな思いからなのです。
ご来村された皆さんに、「健康で幸せな家族」になるためには「安心できる家」があってこそ、という思いを共有していただきたいからです。そのために、行っているのが有害な化学物質を一切排除し、工務店では不可能に近いといわれる「完全無添加住宅」のご提案です。
風水デザイン設計で細部までこだわるゆえに、柱の数の多さは、他社と比べてはるかに多い。どこまでも妥協しない家づくりです。住む家族みんなが自然素材の持つエネルギーにつつまれて、心身そのものが本来の健やかさを取り戻します。
さらに「水や木にも心が宿る」言霊を信じている私にとって、住まうご家族のことを思う心を一本一本、新築の木々に念願することによってご家族をお守りすることができることを強く信じております。
このことは科学的根拠という領域をはるかに超えた、哲学的な直観領域です。その直感力を高めてくれるのが「私たちはおおいなる命の循環の中に在る」ということを常に感じさせてくれるこの地の大自然です。
「もくもく村」は、大地の匂いのする家づくりを皆様にご体感していただける唯一の森の中の総合展示場となっています。